軽自動車の車検証も電子化へ
2024.01.27
2023年1月から普通車の車検証は電子化され、A6相当サイズの厚紙にICタグを貼付したものになりました。
2024年1月から軽自動車も同様に、電子車検証となりました。
電子車検証となり、大きく変わった点としては、やはり小さくなったことにより車内に保管しやすくなったかと思います。
小さくなりコンパクトになったことは一つのメリットとも言えるかと思いますが、その他にどのようなメリットがあるのでしょうか?またデメリットはあるのか?
今回は電子車検証のメリット・デメリットについて解説いていきます。
電子車検証とは?
電子車検証とは、自動車が保安基準に適合していることを証明する車検証をICカード化したものです。
従来の紙の車検証に記載されていた内容がカード本体に記載されるか、カードに搭載されるICタグに記録されるようになりました。
電子車検証は、行政手続きのオンライン化である自動車保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)の取り組みのを拡大に向けた施策です。政府は行政手続きのオンライン化に力を入れている為、そのひとつとしてあげられるのが車検証の電子化で導入する形となりました。
また、
国交省の自動車検査証の電子化に関する検討会の報告書によると、「自動車関係の行政手続きは、登録・検査、保管場所証明、納税など、担当する行政機関もバラバラであり自動車の登録・検査に係る申請数は年間3千万件と、手続きの簡素化が重要な課題である」と。
上記の課題を解決するために車検証を電子化したとも考えられます。
電子車検証のメリット
1.【車検証発行までの時間短縮】
車検を受けてから新たな車検証を受け取るまでにかかっていた時間が短縮されます。
これまでは、車検を実施した「指定整備事業者等」が、新たな車検証を受け取るために運輸支局などに出向く必要があり、そのため、車検後、新たな車検証を受け取るまでに数日から1週間程度の時間がかかっていました。
電子車検証は有効期限がICタグに記録されるため、車検後に電子記録を書き換えるだけで更新が済むようになったことで指定整備事業者等が新たな車検証を受け取るために運輸支局に出向く必要がなくなり、時間の短縮に繋がりました。
2.【車検証閲覧アプリによる情報確認】
車検証の電子化に伴い、国土交通省から「車検証閲覧アプリ」の提供も開始され、ドライバーはパソコンやスマートフォンのアプリを通して、車検証情報の閲覧や車検証情報ファイルの出力などができるようになりました。
車検証本体が手元になくても、パソコンやスマホから情報を確認できるようになりました。
デメリット
1.【スマホやPCが無いと車検満了日がアプリでしか見れなくなる】
車検満了日が車検証閲覧アプリでしか確認できなくなる為、
車通勤の申請や通勤手当支給の申請で車検証の有効期限の確認がある際は車検証閲覧アプリをインストール・ログインして、
自動車検査証記録事項のPDFをダウンロードし印刷して提出する必要があります。
2.【サイズがA6+αで財布には入らない】
A4サイズからA6サイズ相当にコンパクト化はされますが、
キャッシュカードサイズではないため基本的には車のグローブボックスに入れるということは変わらないかと思います。
また、ICタグが搭載される為ダッシュボードの上などの過度に高温になりやすい場所に放置、折り曲げる、ICタグを切り取るなどもできません。
そのため、小さくなったことにより紛失してしまうリスクが高まったことがデメリットと言えます。
3.自動車の検査・登録手続の手数料引き上げ
車検証の電子化に伴って、歳出が増えることから以下の項目手数料が引き上げられました。
- 自動車検査証の再交付に係る手数料
- 検査手続に係る手数料
- 自動車検査証の交付に係る手数料
国または軽自動車検査協会に納める車検証の再交付手数料は、新たに1件あたり350円に。
また、国、協会に納める検査手続きの手数料も改定され、
完成検査終了証の提出がある新規検査の自動車の場合は以下のように手数料が引き上げられました。
- 電子申請・・・1000円→1300円
- 窓口申請・・・1200円→1500円
- 保安基準適合証の提出がある自動車・・・1000円→1300円
- 限定自動車検査証の提出がある自動車・・・1200~1300円→1400円
※小型二輪の場合は1100円から1400円へ引き上げ
保安基準適合証の提出がある継続検査の自動車の場合は以下の通りです。
- 電子申請・・・1200円→1400円
- 窓口申請・・・1000円→1200円
- 構造変更検査・・・普通自動車が2100円→2200円、小型車が2000円→2100円、軽自動車が1400円→1900円。
- 限定自動車検査証及び限定保安基準適合証の提出がある自動車・・・1100円→1200円
- 限定自動車検査証の提出がある自動車・・・1200~1300円→1400円
※小型二輪の場合は1100円から1200円へ引き上げ
この他、自動車技術総合機構が基準適合性審査を行う検査手続を受ける場合は、
国に納める車検証の交付に関する手数料を1台あたり400円が500円となります。
まとめ
電子車検証へは車検や記載事項の変更といった更新手続きがあった時点で切り替わる為、現在従来の車検証の方はそのままで問題ありません。
次の車検の際や、記載事項の変更の際に、電子車検証になるということだけ覚えておきましょう。